春先になると多くの人が悩まされる花粉症。敏感な人は12月頃から気になりだす方もいる様です。主力は2~4月のスギ花粉ですが、最近は4~5月にヒノキ花粉、5~8月にはカモガヤなどのイネ花粉、8~10月になるとブタクサやヨモギなど雑草類の花粉に反応する人も増えています。これに加えて、黄砂も+αの悪さをしているようにも思われます。
病院では対症療法として抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド剤が処方されるほか、3~5年かけて舌の裏側に薬を滴下して免疫を獲得する治療法も効果が期待されています。
【症例1】
24歳女性、アトピー性皮膚炎、ぜん息、花粉症の既往症あり。
2月の中旬、職場の人間関係の悩みで眠れない日が続いたところ、急に呼吸が苦しくなり、夜間の救急外来を受診。ぜん息が疑われて入院となりました。吸入や点滴などの処置をとって症状は軽快傾向にありました。ところが、病棟のデイルームで急に咳きこみはじめ、何かを指さしました。そこには、花が飾ってありました。主治医が「花粉アレルギーがあることを申し送りしておいたはずななのに!」と注意したところ、看護師は「すみません。でも先生あれは造花ですよ」と答えたのでした。
Point!
ぜん息も花粉症も心因性の要素があります。花粉アレルギーの治療と同時に、心因性のストレスも上手にコントロールする必要性があります。

【症例2】
48歳男性。
花粉症とは無縁だと豪語していた男性が、腹痛のために内科を受診して大腸カメラの検査を受けました。病変はありませんでしたが、長さ1mもある寄生虫が見つかりました。駆虫剤を飲んで寄生虫を退治し、この件は一件落着。ところがその後、目や鼻がかゆくなり、涙・鼻水・くしゃみが出るようになります。ゴルフ場ではくしゃみを連発し、早々に切り上げざるを得ませんでした。翌日、内科で検査を受けて花粉症と診断されました。
花粉症患者が急増した要因の一つとして寄生虫との関係を指摘するものもあります。ぎょう虫や回虫などが腸内いるとIgEという免疫物質がつくられ、これが花粉症の発症を抑制してくれるのです。体内に寄生虫がいると免疫機構は寄生虫相手に大忙しで、さほど害のない花粉に手が回りません。だから寄生虫を駆除したら花粉症を発症してしまったのです。
Point!
近年の研究によると、寄生虫だけではなく色々なウィルスや細菌もアレルギーを抑えることがわかっています。抗アレルギー薬だけに頼らず、ヨーグルトなど発酵食品を積極的にとって腸内細菌を増やすことも花粉症対策になります。
花粉症は病的に言えば、急性鼻粘膜咽頭結膜炎ともいわれます。 これを花粉症というなんとも乙女チックな病名としている為、必要以上に「私も!」という人がいるようです(笑)
横浜鶴見リハビリテーション病院
院長 吉田 勝明